無邪気すぎた、あの頃

senseiarigatoubana

このお話は、電子出版社ハッカドロップス発行の電子書籍
「せんせいありがとう あの日の思いとどけたい -生徒から先生へ-」に掲載されたもののうちの1編です。
この本は「先生」に対する感謝の気持ちを込めた体験談を募集します・・・というテーマで募集した手記50編が掲載されています。
先生と生徒というのは、ある一定期間毎日会って同じ時間を共有しますが、担任が替わったり卒業、転校などでいきなり会えなくなってしまう関係です。
感謝の気持ちを伝えられないままに別れることになってしまい、連絡先も分からずに縁が切れる事も多いと思います。そんな「恩師」に対する伝えたかったけれど伝えられなかった感謝の気持ちが綴られています。
この本にある「先生」は手記を書いた方が子どもの頃に通った幼稚園、保育園、小学校、中学校、高校、大学、専門学校、病院内学級の指導員、部活動の顧問、スポーツ指導員、塾講師、習い事の先生、特別支援学級の先生、医者、少年院など児童矯正施設の指導員の事を示します。子どもの頃とは、一般的に大学卒業に相当する年齢ぐらいまでの事を示します。
さまざまな想いをぜひご堪能ください。

無邪気すぎた、あの頃

PN:おてんば 二十代 埼玉県

十年前、わたしは田舎の公立中学に通っていた。まだ成長過程で同級生に比べると、からだつきは小さいほうであった。
部活は、小学生から続けているバスケットをしたかったので、そのままバスケット部に入部した。バスケット部はいわゆる、体育会系であり、校内でも権力というか怖いと言われている先輩も多かった。中学生なりの縦社会というものが成り立っていた。
部活以外で校内で会えば、きちんと挨拶をしなければいけない。社会人になればそんなの当たり前だが、何も知らない、十代の子供にとっては苦痛でしかなかった。
今思うと、当時の方が色んなことに敏感であったような気がする。
部の顧問のK先生は、二十代後半の少し怖い感じの男の先生であった。先輩方もかなり気を遣っているのが感じられた。相手は年頃の女の子であるので、手を上げるようなことは無かったが・・・椅子を蹴飛ばしたり、床に足を打ち付けて大きく音を出してみたり、怒ると感情的になりやすかった。
しかし、普段は面白くてまだ若い笑顔を見せてくれた。生徒と冗談も言えるような親しみやすさがあった。
まだまだ幼い十代であったが、毎日のように接していくうちに、K先生に対してプレーや日常生活に置いても信頼を寄せていたし、将来の恩師としてずっと交友できたらいいなと感じていた。
どちらかと言えばわたしは活発的なほうであった。そしてやんちゃな言動をたびたび先生に注意された。
掃除の時間は、いつも友人とひなたぼっこをして、よく怒られた。また、ある同級生をからかってしまい、学年問題になり反省文、持ち込み禁止の携帯電話のアラームが起動してしまい担任の先生にばれて問題に・・・しまいにはある先生をふざけてからかってしまい、部活禁止など、常に学校生活は問題だらけであった。
ただ、先生から馬鹿にされたくないという思いから、授業の成績ほほとんど5という、大人から見れば生意気な生徒であった。
こんなふうに中学生活を送っていた、中学二年の冬K先生の離任が決まったという噂がまわっていた。
そのころ、校内では机の落書きが流行っていた。規模は学年中に拡がってしまい、先生たちも頭を悩ませていた。そこで、主犯格とされたのが私と友人Aであった。そしてわたしたちは同じ部活であり、中心となっているのはバスケット部ではないかと教師のなかで話がまとまった。
わたしたちは、呼び出され反省文を書かされた。否定できる余地などなかった。これは、今までの行いの結果か・・・と認めるしかなかった。
K先生は責任を感じてバスケット部を無期限の謹慎にした。それは、K先生ともう一緒にバスケができないことを意味していた。
本当に今までの言動を後悔した。最後の最後まで迷惑をかけてしまい、後味の悪い別れになってしまったのだ。
あくる日もあくる日も、わたしはK先生に謝り続けた。しかし、先生は「俺がそういう雰囲気の部活をつくってしまったんだ。悪いのは俺だ」と、頑に話をきいてくれなかった。 そして、とうとう離任の日が来た。もちろん、部活は謹慎中。最後の謝罪をした。しかし、先生は気の抜けた寂しそうな笑顔で、「こうなってしまった原因は全て俺にある。みんなが責任を感じることはない。最後に・・・今までで最高のチームだった」と話した。
今でも思い出すと涙が出る。あのとき、怒鳴られることもなく、責められることなく全てを背負ってくれた姿は忘れられない。いつもは感情的なのに、気の抜けてしまったがっかりしたK先生の表情も。
わたしはこのことを期に自分の行動に責任を持つようになった、間違いなく。
そして、成人した今でさえ教訓となっている。軽はずみで行動してはいけない。
離任して以来、先生とは再会できていない、あのときの感謝の気持ちをこの場をかりて伝えたい。
本当にありがとうございました。

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